正しいパチンコ

中途半端なパチ生活者が正しいパチンコをまっとうに語ろうと試みるブログ。

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【 全記事一覧 】 【 機種情報 】 【 正しいパチンコ本 】


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パチンコ年代記(クロニクル) 神保美佳

パチンコ年代記(クロニクル)は神保美佳さんの本です。

パチンコを文化としてとらえて、第一部では筆者の取材による膨大な資料を元にしたパチンコの歴史、第二部ではパチンコに登場するキャラクターについてまとめてあります。

第一部、パチンコの歴史と言うと、皆さんはどういうスタートラインから書かれていると想像されるでしょうか。これが実は、17世紀のヨーロッパで玉と釘を使った「マーブル」というゲーム機が存在しており、そこから始まっています。このように、我々が想像するよりももっとずっと深く調べられた本で、非常に読み応えがあります。

パチンコのルーツ、ウォールマシーン

日本のパチンコに関しては1920年代後半に「一銭パチンコ」として大人の娯楽として定着したという話から始まり、現代パチンコの本当のルーツとも言える有名な「正村ゲージ」など、そのゲーム内容や当時の法律なども含めて詳細に記述されています。

正村ゲージ 15秒開き告知ポスター パチンコ

もちろん、CR機以降の近代史についても細かく記載されており、パチンコの発祥から現代までの歴史の全てが網羅されていると言っても過言ではありません。

第二部はガラっと変わって「夢々ちゃん」や「黄門ちゃま」などのパチンコ・キャラクターにスポットを当てた内容になっており、筆者の前書きで、「本を前後半で破いても問題ない」と書かれているように、全く違った切り口の内容となっています。

もちろんかなり詳細な取材に基いて書かれているので、有名どころの「マリンちゃん」などだけではなく、藤商事の「藤丸くん」、西陣の「ニッキー」、タイヨーエレックのプラシチック枠のイメージキャラ「プラわ君」などマニアックなキャラクターについての内容や、芸能人とのタイアップ機についてもまとめられています。

ドラム君

パチンコというと、どうしてもお金の部分やそれに直結する攻略についてばかり目が行ってしまいますし、そういう需要がありますから書籍にしてもそういった切り口のものが大半で、「パチンコ年代記」のようなパチンコ文化について詳しく紹介したものはほとんどありません。そういった意味では本当に貴重な資料としてもとても素晴らしい本ですし、もちろん読み物としても楽しめるものとなっています。

私はパチンコ生活者ですから、いやでも毎日のようにパチンコに触れますし、パチンコの事を考えずには生活できないスタイルです。だからこそお金の事ばかりではやってられないという気持ちがあります。ですからどんなパチンコ機を打つ時でも楽しみを見出そうとします。

玉と釘を使った遊戯であるという点においては17世紀から今日まで変わっていないわけです。ついついがっついて儲けてやろうばかり考えてしまいますが、そこに文化を感じながら打てればその方が楽しいじゃないですか。
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| 正しいパチンコ本 | 23:12 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

パチプロ泡沫記 (田山幸憲)

パチプロ泡沫記は「パチプロうたかたき」と読みます。昔々、ごく一部のホール(全国で244店だったそうです)で無料配布されていた「王様手帳」という小冊子に、パチプロの田山幸憲氏が同名のエッセイを連載していました。それを単行本にまとめたのがこの本です。

田山氏はご存知の方も多いと思いますが、手打ちの時代からCR機の時代まで30年以上パチプロとして生き残ったパチンコ界の超有名人です。いわゆるパチンコライターのパイオニア的な存在でもあり、非常に読ませる・魅せる文章で人気がありました。(2001年に残念ながら病気で亡くなってしまいました。)

この本は1987年から1998年までに書かれたエッセイにインタビューや書き下ろしの文章を加えたものです。長年生き残っったパチプロの田山氏ですが、パチンコの勝ち方の指南のような内容はほとんどありません。日々のパチンコ生活や作家との二足のわらじの生活の中で感じた事や考えている事が書かれているのですが、氏の他の本に比べてずっと肩の力が抜けた感じで、楽しい本です。

パチンコ屋でみかける印象的な人についての事、カードシステムなどパチンコをとりまく環境の変化について思うところ、パチプロとしての美学や悲しみ、氏の若い頃の話などに加え、最後の方では、ご自身の病気の事についても触れられており、胸がつまります。全体的にのんびりとしたトーンで飄々と綴られており、人柄がしのばれる一冊となっています。

少し印象的なところを抜粋してみます。

そんなある日のこと、私が要町の某パチンコ店でパチっていると、どこからか見知らぬ若い男がやって来て、言う。「あのう、田山さんですか?」 ~中略~ 何と「サインをして下さい」と来たもんだ!いやはや、こんなことはもちろん生まれて初めての体験である。しかし、正直言って、この時私は自分でも信じられないくらい不愉快になった。今だに我が身を正当化できないでいる一介のパチンコ打ちが、「サイン」などとはとんでもない話なのである。

これこそが田山氏の人柄がよく出ている部分だと思います。この時点で20年近いパチプロとしての経験があり、しかも雑誌の連載は人気を博していたわけですから調子にのってしまっても何ら不思議はありませんし、誰にも責められないと思います。しかし決してそうはならないんですよね。

私が通っているホールでは、通常二時になると、第一回目の「一般機一斉開放」とやらが行われる。 ~中略~ 「只今より一般機の一斉開放を行います。御希望の方は…」の場内放送を聞くと、天下の一大事とばかりに、あわてて飛んで行く客が毎度大ぜいいる。あの光景を見るたびに、あな、浅ましや、と思うのは、私一人でもあるまい。パチプロとしてのプライドからか、人間としてのこだわりからか、私は「開放台」の札を見るさえ、背中に虫ずが走るタチなのである。

今では「開放台」なんていうシステム自体パチンコホールでは絶滅しましたが、開放台に走るのと全く同じような浅ましい光景は相変わらずです。その事に気付かされ、ハっとされられるような一文ですね。

本当に必死で、金を儲けようと思ったら、時間も長くやんなきゃ駄目だし、人間としてあらゆる汚いことをやんなきゃ駄目なんだ、そういういことがやだからね。だから僕なんか、儲けてない方だって言ってるの。金が儲かるのと実力は、それほど関係ない。後は物の考え方。汚くやりゃ、もっと儲かるのはわかってるんだよ。だけど、男一人なんだからさあ、今ぐらい稼いでいたら、上等でしょ。 ~中略~ 必勝ガイドからも、結構、ちょっと、原稿料もらってるし(笑)

インタビューの書き起こしの部分ですが、ドキっとしますね。どうしたってお金は欲しいし、そんなにいつも余裕を持ったパチンコができるとは限りませんから、人として大切な事を忘れてしまいがちです。こういう考え方にはとても共感しますし、理想と思います。しかし自分のそれに沿った行動ができているかと問われると田山氏のようには答えられないかもしれません。そして、そういう考え方はしばしば「甘い」とされて評価されません。しかし私は甘いとは思いません。むしろ自身に厳しいという面もあるように思います。

私がパチンコを打っている所に風体いやしからぬ中年の男が現れて、「七十円で買い取ってやるから、その玉をハイライトに換えなさい」と言うのである。これを聞いて、世間しらずの学生(田山氏)はすぐに飛びついた。 ~中略~ こんなにオイシイ話はない。私はその時持っていた玉のほとんどをハイライトに換え、男が指定した場所に行った。 ~中略~ 何せ相手は初めからイカサマをやるつもりなのだから、金なんか払うわけがない。両手に一杯のカートンをかかえ、去りぎわ、「すぐに戻ってくるから、ここで待っていてくれ」と言い残して、ドロン。私たちバカな若者はまんまと一杯食わされたのである。あれから三十年…か。

これはご本人からしたらたまったものじゃない思い出でしょうが、思わす吹き出してしまうような、ある意味においては古き良き(?)時代の心あたたまるエピソードですね(笑)。


パチンコを取り巻く環境は日々変化しますから、私のようなパチンコ生活者が生きていくためには日々それにアジャストしなくてはいけません。そんな中で、いかにして一円でも多く儲けるかというような事ばかり考えていると、とても殺伐としてしまいますし、私としてはそっち方面に強く寄り過ぎる事ばかりがパチンコ生活を続けるために有効な手段とは思いません。

しかしパチンコ界の流れはその私の考えとは逆行しています。しかし不本意ながらその殺伐を避けてばかりでは生活できないというのも事実です。それでも私は上に引用したような田山氏の考え方や美学に強く共感します。時代遅れだ、甘い、ぬるいと人に言われようが、私には私のスタイルがあると思っています。

そういう矛盾や葛藤に疲れた時に、田山氏の本はとても精神の安定をもたらしてくれます。
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